ペンハリマブログ

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六転七起の「きな子」

2010.11.17日

「きな子」ラブラドル・レッドリバー8歳の雌。人間にすれば50歳近い。警察犬の試験に6年連続して落ち続けた。しかし、7年目にしてトップの成績を収め見事優勝した。これで香川県警の委嘱警察犬として採用される可能性が大きくなった。まさに遅咲きの警察犬だ。


 「きな子」は、何をするにも不器用で、障害飛越を失敗し、顔面落下したり、ハードルに足を引っかけ倒れたり、高所で震えるなどドジぶりはまさに「ズッコケ」犬で、警察犬になることなど夢のまた夢だった。
 

 ところがどうだろう。参加38頭中、最高の成績を上げた。きな子が優勝した「臭気選別部門」は、10メートル離れた台の上に置かれた、特定のにおいの付いた布を5枚から選ぶ競技。昨年は全問不正解。過去に一度も入賞したことさえない。
 

 しかし、愛くるしい顔としぐさが話題になり、6年間連れ添った見習い女性訓練士との交流が映画化され、「きな子〜見習い警察犬の物語」は今年の夏上映された。


 映画の中で象徴的なシーンがあった。見習い訓練士望月杏子は「どんなにがんばっても出来ないものは出来ない。きな子には別の生き方があるのではないか?」と訓練所をやめてしまう。
しかし、訓練所所長に「お前という未熟な訓練士を育てるためにきな子がおり、きな子という未熟な警察犬を育てるためにお前がおる。」と励まされ、お互いをかけがえのない存在だと知り、二人の訓練は再開された。
 

 この映画により、きな子の知名度はアップし、今年の試験に当たっては、全国から多くの合格祈願や千羽鶴が届けられた。


 かっての競走馬「はるうらら」は連敗に連敗を重ね、それが日本人好みの判官びいきと相まって人気を博した。しかし、はるうららは天才ジョッキー武豊が騎乗しても敗れ、一度として勝つことなく引退した。日本には「負けの美学」がある。何度となく負けても、繰り返し挑む姿勢と精神に心打たれるのだろう。


 しかし、きな子は決して『負け犬』ではなかった。今までの失敗はただ単なる失敗でなく、失敗の積み重ねが優勝という成果を呼び込んだのだ。
何度失敗してもあきらめずに夢を目指して何度もチャレンジする姿に生きる力をもらったような気がする。
みんなに幸せや勇気を運ぶ犬として頑張れ!六転七起の「きな子」

                個別指導のEXCEED 塾長  細井俊彦


ホッとする,いい話

2010.11.09日

滋賀県長浜市の浅井中学校が270人271脚で50m走るギネス記録に挑戦した。これは体育大会の一種目で生徒会の発案により実行された。
 

横一線に並んだ270人、その長さは100メートルにもなったという。何度練習してもなかなかタイミングが合わず、体育大会の前日の練習でやっと一回だけ成功した。
 

号砲が鳴ると「イチ、ニ」「イチ、ニ」と掛け声をかけながら、やや早歩きで57秒でゴールした。大歓声。生徒たちは飛び上がって喜んだ。それもそのはず、今までの記録「261人262脚」を9人も上回ったのだから。それこそギネス記録が達成した瞬間だった。
  

 ところが昼食休憩を過ぎてから、男子生徒が母親とともに大会本部に来て、自分の足首を結んでいたタオルが残り5mぐらいでほどけたと申し出た。学校側は認定のための外部立会人や撮影したビデオを検証したが、タオルが解けた事実は確認できなかった。
 

 学校側は「申し出た生徒の気持ちを大事にしたい。ギネスに申請すれば、事実をごまかしたことになる。申し出た生徒の思いが無駄になる。競技の目的である『集団の和』は十分達成できた」と申請をやめることにした。
  

 校長は「記録よりも正直に話してくれたことの方が大事。生徒の勇気を大切にしたい。」と話した。
 すばらしい。私は申し出た生徒と母、そして申請を断念した長浜中学に心から賛辞を送りたい。


 学校全体が盛り上がる中でこのことを申し出るには相当の覚悟がいったに違いない。まさに「記録に残るよりも記憶に残る」とはこのこと。この真摯な態度こそギネス級ではないだろうか。
ギネスに載らなかったことは残念の限りであるが、それよりすばらしいものを子どもたちは得たのではないのだろうか。


「ごまかしたり、ずるいことをするのはやめよう!」これは子どもたちの胸に刻まれ、長浜中学校にずーっと受け継がれていくことと思う。これ以上の生きた教育はない。
  
英語の「正直」HONESTの語源はHONOR「名誉」にあるという。申し出た子どもには正直者という『名誉』を贈りたい。そして、長浜中学校の270人271脚の再チャレンジを期待したい。
 
         個別指導のEXCEED塾長   細井俊彦