ペンハリマブログ

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一体感で勝つ!−長田高校ー

2010.08.02日

 本格的な夏を迎え、高校野球は今やたけなわ。私はこの頃になると血がさわぎ、足が自然と球場に向かう。私はかって高校の教員の時、野球部監督を十数年間務めたことがあり、高校球児と同じように全国大会出場を夢見ていた一人だった。だからひたむきに白球を追い続ける球児にこのうえなく魅せられる。


 先日、高砂球場で兵庫予選の3回戦長田高校と加古川西高校の対戦を見る機会があった。私は、教え子がいる加古川西高のベンチが見やすいようにと、バックネット寄りの三塁側の席に着いた。加古川西高は、近年最強のチームで、優勝候補にも挙がるような強豪校で当然シードされていた。対する長田高校は1.2回戦を勝ち進み3回戦に上がってきたチームである。
 

 私がまず驚かされたのは、横断幕、それには「我々は必ず勝つ!」と書かれていた。そして際立っていたのが長田高校の選手のきびきびした動きとチームワークのよさだった。野球は9人の選手がフィールドの中で戦う試合だが、出場する選手とベンチの選手が一体化していた。選手の表情は生き生きとしており、それはまるで野球を楽しんでいるかのようだった。
 

 ピンチになると「タイム」をかけるベンチのタイミングも絶妙で、マウンドにすばやくナインが集まり、投手を激励する。「1点勝っとる。強気で行け。」投手もこれに応え、170cmの上背もないが、ピンチにひるむことなく打者の内角を直球で攻める。ヒット6本打たれたがすべて単打で散発だった。
 

 守備から全力疾走でベンチに帰る選手はだれも笑顔。ベンチの控え選手は、冷やしたタオルとスポーツドリンクでこれを笑顔で迎える。相手チームの攻撃になると、スコアラーだろうか。「ひっぱってくるぞー!」「一球目注意!」とバッテリーや守備陣に声がかかる。まさに、これぞ全員野球、これぞ高校野球だ。
 

 結果は1対0、長田高校がワンチャンスをものにして勝利を呼び込んだ。敗戦が決まった瞬間、ベンチ前でガクッと膝を落とした加古川西高の部長はしばらく動けなかった。
 

 これはチームワークの勝利だ。長田高校と言えば、兵庫県を代表する進学校、練習時間も1日2時間程度と聞いた。対する加古川西高はシード校、どこかに組み易し、といった考えがなかっただろうか。

 
 いざ試合になり、長田高校に先取点を取られも、いつかは取り返せるという安易な雰囲気があった。ところがスコアボードにゼロを重ねるうちに浮き足立ってきた。絶好の反撃のチャンスの1アウト1.3塁の場面でも中途半端な攻撃で得点できなかった。


 後半に入ると、長田高校の投手はストライク先行で打者を追い込んだ。これが打者の焦りを誘い、中軸打線にもフルスイングさせない、実にクレバーな投球術だった。結局この投手の術中にはまった打者は、最後まで打ち崩すことができなかった。


 個人個人の選手の力量を見比べると、加古川西高の方が上であることはわかる。しかし、野球はチームプレーである。チームとしての機能を果たすには、チーム内の団結と連帯が必要だ。これがいわゆるチームワークである。チームワークは目的が明確で、難しいほうがうまく回る。

 
 だから、チーム力としては劣勢のチームの方が発揮しやすい。メンバー一人ひとりがシード校を倒すという目的を達成するため、他のメンバーを信頼した上で、それぞれのやるべきことをこなす。
このチームワークが一体感を生み出すのだ。

 
 一体感と言えば、応援する生徒、父兄も高砂球場というアウェーにもかかわらず、地元の加古川西高と同じように生徒やOBが多く応援に駆けつけた。特に野球部保護者会の方の心配り・気配りにも驚かされた。
 

 私はバックネット寄りのやや3塁側の席に座っていたのだが、ある保護者会の方が「暑い中応援ご苦労様です」「よかったらどうですか」とジュースを差し出してきた。私は部外者であるが「ありがとうございます。いただきます」と快く受け取った。保護者会の方は飲み終える頃を見計らって空き缶の回収までしだした。最後には応援席のごみを集めて持ち帰っていった。
 

 なんと……。この保護者あってのこのチーム、そしてこの勝利だと思った。

                 個別指導のEXCEED  塾長  細井俊彦